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信じられるのは一体だれ!?インターネットに蔓延するフェイクニュースの見分け方に関する調査結果!

         

 インターネット上にある膨大な情報量を我々が個人レベルで一つずつ精査することは不可能です。しかし、我々が目の当たりにするコンテンツのどのくらいが真実で、どのくらいが我々を誤った方向へ導いてしまうものなのでしょうか?

USC Annenberg Center for the Digital Futureのレポートによると、2000年の調査ではアメリカ人が自宅でインターネットを使用する平均時間は週に3.3時間でしたが、今回の調査では週に17.6時間まで増加しています。この増加率を見るだけでも、インターネットの情報の質がかつてより大きな影響を人々与えていることは明白です。

Wikipediaには、検証されていない一般人の寄稿による情報が事実として公開されていますし、信頼できるとされているソースにも誤字や脱字が見受けられたり、偏った意見が掲載されている場合もあります。また、蔓延するフェイクニュースによる影響を考えるとどのようなニュースソースからの情報も猜疑心を持って見る必要があると言えそうです。

それでは、我々はどのようにして情報をふるいにかけていけばよいのでしょうか?また、情報のどの程度を実際信じるべきでしょうか?

この記事では981人を対象に行った調査をもとに、改めて情報の「信頼性」について考えていきたいと思います。

(本稿はWhoIsHostingThisの記事を編集部からの翻訳許可・画像使用許可を得てデータのじかん編集部が翻訳したものです。Thanks, Richard @ WhoIsHostingThis!)

信じられるのは一体誰?

「オンライン上で誰が虚偽の情報を発信するいることに対してもっとも懸念していますか?」という質問に対しては、ニュース発信元とレポーター:21.6%、詐欺師:21.3%、政治家候補:18.3%、政府職員:14.7%、テロリスト:11.1%、ソーシャルメディアユーザー:10.5%、その他:2.4%という回答となっています。また、82.1%の人が次の10年でインターネットの情報がはますます信用できなくなるだろうと回答しており、61.4%の人がオンライン上で騙されるケースは今後10年でますます増えるだろう、と回答しています。

「ニュース」として伝えられている情報の全てが信用できるものではない、というのはみなさんもうすうす勘付いているとは思います。Googleの検索結果にも無数のフェイクニュースが表示されますし、信頼できると位置付けられているメディアソースにさえも偏見や誤認、虚偽情報が紛れ込んでいます。

今回の結果で驚くべきは「詐欺師」よりも「ニュースレポーター」の方が懸念されている、という結果が出たことです。22%の回答者がニュース発信元やレポーターが「戦略的な印象付け」を行っていると感じていることが明らかになりました。これは詐欺師に対する21.3%という数値を上回る結果となりました。

また、政治家候補や政府職員の信用度も同様に低く、それぞれ18.3%および14.7%の人々が彼らが発信する情報に対して猜疑心を感じていることがわかります。

オンライン上で真実とフィクションの判別が難しい場合、我々はどのようにして信頼できる情報を見つけ出せばよいのでしょうか?回答者の68%は個人的に信頼している情報ソースに掲載されている情報を信じる、と答え、約56%の回答者が複数の情報ソースで同じ情報が確認できた場合には正しい情報であると判断する、と答えています。信頼できるサイトに掲載されている情報は全て信じる、と回答したのは全体の3分の1以下でした。

これは、メディア媒体そのものに対する信頼感がそれだけ低下していることを意味しています。

信じるか信じないか?

平均するとインターネットユーザーの43.7%が間違った情報の拡散に加担している、と考えられています。

逆説的に言えば、誰彼構わず信頼することは危険である、という考えのみを全ての人が共有している、ということになります。平均56.3%のインターネットユーザーが信頼できる情報を発信している、と考えられている一方で、43.7%の人が間違った情報を意図的に拡散していると考えられいるのです。

リベラル派は信頼性に対してもよりリベラルな立ち位置であり、保守派は保守的な傾向にありますが、情報を信頼するかどうか、という観点ではソースとの相関性が見られました。

またリベラル派より保守派の方がソーシャルメディア情報を信じる傾向にあるようです。MITが行った過去最大のフェイクニュースに関する研究によると、Twitter上では真実よりも嘘の方がより早く拡散されると言われています。

リベラル派と保守派の最大の違いは、ニュース媒体に対する姿勢に現れていました。リベラル派の81.8%は発信されたニュースソースを直接確認できた場合は信頼する、としているのに対して、保守派は48.1%にとどまりました。

ドナルド・トランプ米大統領は過去に、彼がメディアを「人々の敵」と位置付ける発言をすると彼の支持者たちはそれを好意的に受け止める、と公言したことがあります。保守派がニュースソースに対して懐疑的になったのはその影響を受けている可能性もあります。

フェイクニュースとは、ニュースとして現れる偽りの話のことであり、通常はインターネット等のメディアを通じて拡散され、政治的な見解に影響を与えるために捏造されていると言われています。

フェイクニュースはソーシャルメディア上で拡散されることが多く、拡散されている内容がフェイクニュースである、という指摘はリベラル派の方が頻繁に行う傾向にあります。また、ソーシャルメディア利用者の83%がソーシャルプラットフォーム上で「フェイクニュース」だと思われる内容を見たことがある、と回答しています。

リベラル派はフェイクニュースはソーシャルメディア上で拡散される、と考えている一方で、保守派は主としてニュース発信元とレポーターが嘘を報道していると考えています。

そして、リベラル派と保守派共に、それぞれ87.4%と81%とかなりの割合で2020年の大統領選挙に関するフェイクニュースが拡散されるだろうと予測しています。

ディープフェイクを深掘りする

ディープフェイクという単語にはもしかしたら聞き覚えがないかもしれませんが、きっとどこかしらですでに目にしているはずです。定義からいうと、ディープフェイクはAIによる技術であり、映像、写真および音声コンテンツを制作したり加工したりするときに使われ、現実には起こらなかったことを捏造することができるのです。

最近の例を見ると、どの映像が本物でどれがディープフェイクなのかを判別するのは極めて難しいのかがわかるかと思います。判別が不可能な場合も多くあります。大統領声明をゼロから創作することも可能です。あなたの声を模倣して銀行口座からお金を引き出すこともできるかもしれません。また、子供が親の振りをして何かの許可を申請してしまうかも知れません。つまり、悪用する方法は無限にあると言えます。

当然ながら、実に88.8%の人がディープフェイクの蔓延は恩恵よりも悪影響を与える、と考えています。

男性よりも女性の方がディープフェイクを違法化することに賛成していますが、回答者の多く(47.4%)はディープフェイクのコンテンツとして実際に自分たちが使われることはないだろう、と考えています。

しかし、有名人や公人の場合、ディープフェイクにより悪用される可能性は高くなります。実際に、YouTubeユーザーの44.8%がすでにディープフェイク技術によって作成された動画を見たことがある、と回答しています。

Fake Love – 偽りの愛

フェイクコンテンツの議論をする際に、マッチングアプリなどのオンラインデートに関するトピックに触れないわけには行きません。「キャットフィッシュ」という単語自体は、映画やその後にヒットしたMTVの番組でその知名度を上げましたが、オンライン上の偽りのアイデンティティを作成し、それを使って誰かを誘うことを意味します。

ソーシャルメディアや出会い系サイトでは、(偽りにも関わらず)深い人間関係の構築に発展することも多くあり、嘘だと判明した時、騙された人の心には深い傷が残されてしまうこともあります。それでも、10人中1人以上の人がキャットフィッシュ被害にあったことがある、ということがわかっています。

ではキャットフィッシュ被害はどのようにばれてしまうのでしょうか?もっとも多いのは、プロフィール写真が誰か他人のものだった、と判明するケースです。

出会い系(オンラインデート)の世界では、GoogleのReverse Image Searchが必需品です。また、キャットフィッシャーは直接会うことを避けたがります。キャットフィッシュだと判明したケースの実に39.5%がこれが該当したそうです。

オンラインデートの需要は年々増しており、インターネットで出会って結婚するカップルも最近では珍しくありませんが、インターネット上で会った見ず知らずの人と実際に会う場合、自分自身の体と心の安全を確保しておくことを絶対に忘れないでください。

方法論と限界

上記のデータを収集するにあたり、インターネットユーザー981人を対象にネット情報に対する信頼に関する調査が実施されました。

内訳を説明すると、回答者のうち501人は自らがリベラル派、480人は保守派と答えています。どちらにも属していないと答えた回答者はこの調査に含まれておりません。

またこの回答者のうち、315人はいわゆるベビーブーマーと言われる1946年から1964年生まれで、333人はジェネレーションXと言われる1965年から1980年生まれ、さらに残りの333人はミレニアル世代と呼ばれる1981年から1997年生まれでした。また、58.1%が女性、41.6%が男性で、どちらにも該当しない人は1%未満でした。

この調査は自己申告によるものであるため、テレスコーピング(時系列のあいまいさ)や誇張が影響している可能性もあります。回答者がランダムに回答しないように、注意チェックの問題も含まれていました。

(原文:Dodging Deception & Seeking Truth Online [Survey Results] on WhoIsHostingThis by Toni Allen/翻訳:舩木梓&データのじかん編集部)

 
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