サッカーって、野球や他のスポーツに比べると、ルールも少なくて、監督の指示も細かくなくて、「自由」って言葉がイメージされやすいスポーツですよね。
一方で、「可視化」「データ」という言葉はなんとなく「自由」とは対極にあるような感じがしますが、そのサッカーでもどんどん「データ」が力を持ってきているのです。
ゲームを見ている観客にとっては、サッカーってフィールドも広いし、どうしてもボールばかり目で追いがちだから、実はボールを持っていなかった選手のゴール15秒前の動きがゴールにつながった、なんていうのはとても面白いですね。それも様々なデータ(こんなに走っていたのに、ここでダッシュしたんだ~とか)と一緒だと、より楽しめます。監督にとっても、観客と同じで、どうしても全体がつかみにくいので、データ化されると指導がしやすくなるのは当然です。
今のところ、サッカーはアメフトのQB(クォーターバック )のヘルメットにつけられているイヤホンのようなものはありませんから、試合中にデータを用いた指示をプレーヤーに伝えることはできません(監督が大声で叫ぶだけ)。でも、将来は、耳の中に入れられた超小型イヤホンやコンタクトレンズに仕組まれたAR(ターミネーターのように見ているところにデータが現れる)も用いられるようになるかもしれません。今は、「自由に発想し」「動物的反射神経で」がプレーヤーとして大事な能力ですが、そういう時代になると「耳や目からの情報を瞬時に理解して、身体的動きに活かす能力」がとても大事になって、それができない選手はダメになっちゃうかもしれません。
将棋道場ではなく将棋ゲームで有段者の実力をつける人がいるように、VRのサッカーゲームで鍛えたプロ選手なんていうのもそのうち現れるかも知れませんね。
今後のデータとスポーツの関係性の進化が楽しみです!
(2018年6月28日追記:データで観るワールドカップの記事も合わせてどうぞ。)
ベンチャーから大企業まで様々な新規事業のアドバイスや、イントレプレナー(企業内起業家)を発見・育成するための研修・講演などを行っている。文科省や経産省の事業化検討プログラムのメンターなども担当。(株)リコーに32年半務め、光ディスクの開発、国際標準化委員会の日本代表団、シリコンバレーでのCVC(Corporate Venture Capital)、新規事業開発センター副所長、未来技術総合研究センター所長などを歴任後、独立(2014年)。世界の貧困層(BOP:Base of the Pyramid)での活動も行う。
4コマ漫画作家(ペンネーム:勢川びき)として活動中。
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