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ロコモティブシンドロームは老人だけの問題だけではない

いわきスポーツクラブ アカデミーアドバイザー 小俣 よしのぶ氏
筑波大学大学院体育研究科修了。筑波大学大学院非常勤研究員 /筑波大学産学リエゾン研究員。育成システムの研究家。主に東独、ソ連、キューバなどの東欧社会主義国のトレーニングシステムを専門とする。プロスポーツ球団や競技団体などへの育成システムのアドバイスや指導者養成、さらに成長期競技者や一般生徒児童の運動学習やフィジカルトレーニング指導を行っている。

続いて小俣さんのお話に。小俣さんは、現代の子どもたちは単に体力運動能力が低下しているだけでなく、老人のような症状になる「ロコモティブシンドローム」に似た状態ついて改めて解説。片足立ちが5秒以上できない、腕を180度あげることができないといった症状は、単に運動不足だということではないということです。

また、ロコモティブシンドロームは、スポーツをやっている子どもにも起こるとのこと。例えば、サッカーを専門的にやっている子どもは足の筋肉や持久力は鍛えられるものの、ふくらはぎやふともものなどの筋肉が過度についてしまい、柔軟性や運動機能のバランスが損なわれてることもあるようです。

また、公園などで遊ぶということも少なくなったのもひとつの要因です。遊びなどを通して自然とバランスの取れた運動ができるのです。

結果、野球やサッカーをやっているのに体力運動能力が健全な状態になっていないという現象が起きてしまっています

このような状況が進行すると、身体形態がいびつになったり、身長などの生育に影響を及ぼしたり、アライメント(骨格配列)異常、深刻なけがや障害、それらを起因とするパフォーマンスの低下や頭打ちが起こる恐れがあります。これらを防止するためには、まずは現在の子どもたちの体力運動能力を測定し、どのような傾向にあるのかを把握する必要があります。

テスト結果から苦手な項目を克服して「スポーツ万能」に

今回のテストの項目の概要は上記のようになっています。

これらの結果が、グラフ化されます。グラフは、ある特定の要素が高いことが望ましい訳ではなく、年齢平均や基準値に照らしわせ、正7角形に近い、バランスが良い形が理想です。

この結果から、現時点での得意なこと、苦手なことがわかり、正7角形に近づけるためには、弱い部分を改善していくか?を探って行きます。どうしても得意なことを伸ばしてしまいがちですが、それは逆効果なのです。

小俣さんは、若年層で特定の競技に特化するのではなく、さまざまな運動やスポーツを行うことを推奨。そうすることで、強い体力と高度な運動能力が養われるのです。

子どもの頃から特定のスポーツだけをやっていると、子どものレベルでしか通用しない体力運動能力やスキルが形成されてしまします。さまざまな運動やスポーツをすることで、「スポーツ万能」になることを目指していくのが理想ということでした。

以下実際に可視化された、育成診断テスト結果です。適性基準(理想的な状態)の目安となる緑色の線と実測の赤い線に大きな乖離があります。この部分に若年層で特定のスポーツに特化していることの弊害が表れており、このまま放置すると深刻なけがや障害、パフォーマンス低下や頭打ち、ひいてはスポーツを断念せざるを得ない状態を引き起こす可能性もあることを示しています。

測定項目ごとの克服トレーニングを実演

説明会後半は、友岡さんによる各測定項目改善のためのトレーニング講座です。

実演しながら、各トレーニングを解説。ほとんどが自宅で手軽にできるものばかり。今回の測定結果からわかった苦手項目を、これらのトレーニングで改善することで、バランスのよい体力運動能力を身につけることができるようになるでしょう。

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