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各国ではすでにキャッシュレスのサービスが普及しつつあり、割り勘をする場合などにも頻繁に使われています。
日本ではLINE Payなどが知られたサービスですが、例えば、中国のALIPAYやアメリカのVenmoなど世界ではすでに数多くのサービスが存在しており、日常的に使われています。日本でも決済だけでなく、送金などにも使われるようになることが想定されています。スウェーデンでは、「Swish」という送金・決済サービスが普及しており、国民の半数以上、20代の9割が使用しています。これはスウェーデンの主要銀行6行が中心となって立ち上げたサービスで、CtoC送金や決済に使われています。キャッシュレス化が進むスウェーデンの銀行では、現金を全く取り扱わない支店も増えています。
キャッシュレスがさらに進化していくと、Amazon Goのようにキャッシュレスからさらにペイレス、つまり支払うという行為自体がなくなっていく、と言われています。この仕組みは、利用者が店舗に入るときにQRコードでアカウント認証を行い、あとはカメラで購入した商品を識別し、商品を持って店舗の外に出ると決済される、というものです。レジに並ぶ必要もなく、キャッシュレス決済をする必要もない、ということで注目されています。
ペイレスの例は他にもあります。
海外ではUberなどがそうですが、日本でもJapan Taxiアプリを使うとアプリだけで配車から決済まで完了させることができます。これは配車の場合だけに限られず、流しのタクシーに乗った場合でもQRコードで認証しておけばペイレスで決済が可能となっています。
また、事前注文、事前決済サービスもすでに活用されています。アメリカではスターバックスコーヒーの事前注文、事前決済サービスが中でも最も活用されています。日本でもマクドナルドなどで導入され始めています。これは病院の支払いにも応用できるのではないかと言われています。これにより待ち時間を大幅に減らせるのでは、と期待されています。
高山市・飛騨市の地域限定で利用できる「さるぼぼコイン」など地域通貨や自治体のICO構想なども広がりつつあります。これはどちらかというと地域応援の意味の方が大きいですが、持っているだけでも地域の役に立つキャシュレスの新しい形です。サブスクリプション制で毎月定額を支払う、というのもキャッシュレス・ペイレスの一つの形です。そして、これらの全てに共通するのが、認証、という過程です。今後は、認証と決済の形が再構築されていくでしょう。
認証をしっかりやることで、あらゆるサービスが統合されていくとどうなるかというと、消費データだけでなくあらゆる生活データを蓄積することができるようになるため、お金を持っているかどうかだけでなく、消費傾向やお金との付き合い方などあらゆる行動から個人の信用スコアを導き出すことも可能です。日本にもJ.Scoreというサービスがあり、勤務先や年収だけでなく、ライフスタイルや好みなどをも加味した利用者の信頼性がAIスコアに反映されます。
キャッシュレスやFinTechとはまた別の社会的変化にシェアリングエコノミーというものがあります。これにより資産のあり方、物の所有方法が変わり、購買に対する意識も変わってきます。わざわざ所有しなくても、借りてきて使い、使った分だけお金を払う、という考え方です。例えば、家電製品なども、IoT技術の進化を活用すれば、使った分だけ課金されるという制度にすることもできます。IoTとキャッシュレスを組み合わせることで、あらゆるモノ・情報・価値をシームレスにつなげることができるようになるのです。
よく言われる話ですが、貨幣の歴史は物々交換から始まり、貝殻、金貨、紙幣、電子決済へと進化し、さらなる進化を遂げようとしています。重要なのは、貨幣の進化と経済の範囲がほぼほぼニアリーでつながっている、ということです。現在の経済市場はグローバル規模となり、インターネットなどデジタルな領域でやりとりされることが多く、デジタルな領域では当然現金を使うことはできません。そうなると電子による決済は必然です。次はどうなるかというと、電力でもIoTでもシェアリングでも良いですが、どういう情報とつながるか、お金というのはデジタル上で数字を管理するだけではなく、どういう背景のお金なのか、どういう理由で使われるお金なのか、よくお金というのは価値の貯蔵や移転と言われますが、お金というのは価値だけでなく、お金の真価は情報が価値に紐づく形で管理され、使われていくようになるでしょう。つまり価値と情報がつながる社会が実現されていくのです。
ということで、今日はなぜ私がキャッシュレスをお勧めするのかについてお話しさせてもらいました。
(テキスト:データのじかん編集部)
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