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コグニティブで有名なのがIBMのWatson(ワトソン)です。2009年4月に米国の人気クイズ番組「ジェパディ!」にチャレンジし、話題にもなりました。また、Microsoft Azure内の製品の一つとして提供されているMicrosoft Cognitive Servicesが有名です。

それでは、コグニティブ・コンピューティングとAI(Artificial Intelligence:人工知能)は何が異なるのでしょうか? 混同されることがありますが、実は似て非なるものです。

コグニティブ・コンピューティングとAIの違い

一般的には、AI=Artificial Intelligence=人工知能。人工知能が人間の脳を模倣しているのに対し、コグニティブ・コンピューティングは人間がより良い判断ができるようアドバイスをしたり、人間の能力を補強したりするなど、人間をサポートすることを目的として設計されています。
IBMでは、コグニティブ・コンピューティングを同じAI=Augmented Intelligence=拡張知能と定義しています。

コグニティブ(cognitive)という単語には「経験的知識に基づく」という意味があります。コグニティブ・コンピューティングとはコンピュータが人から与えられた命令を処理するだけでなく、あたかも人間のように自ら考えて、学習し、人間の意思決定をサポートする材料を提示してくれるシステムのことをいいます。

コグニティブ・コンピューティングができること

コグニティブ・コンピューティングは、数値や単純なテキストだけでなく、自然言語や画像、音声、人の表情などといった非構造化データも理解することができます。

世の中のデータのうち、約80%が非構造化データといわれており、いままでよりはるかに多い複雑なデータを理解し処理することが可能になります。コグニティブ・コンピューティングのような第三世代コンピューティング以前のシステムでは、答えがひとつしかないような問題を処理することがほとんどでしたが、コグニティブ・コンピューティングは答えがひとつとは限らない問いかけに対して最善の答えを見い出すとか、曖昧な問いかけに対しても答える能力を持っています。また導き出した答えに対するフィードバックを受け取ることで、自ら学習をし、正確な答えが出せるように進化していくディープラーニングの機能を備えています。

コグニティブ・コンピューティングの活用法

コグニティブ・コンピューティングを代表するIBMの「Watson」は、ビジネスのためのAIを標榜しています。さまざまなビジネス分野での活躍が期待されています。2018年7月現在、日本国内で幅広い業界の約200社にすでに導入されていると言います。(IBM HPより) 


事例として公表されているだけでも、オートバックス、日本空港、ネスレ日本、ソフトバンク、かんぽ生命保険、金沢工業大学など幅広く活用されています。
他にも、医療の現場でコグニティブ・コンピューティングで蓄積された情報を分析し、症状から最適な治療法を導き出します。医師はそれを見て治療方針を組み立てることが可能です。またコグニティブ・コンピューティングではユーザーの性格や嗜好などを分析して好みに合う商品をおすすめするなど、きめ細やかなサービスを提供し、売上を伸ばすこともできます。

すぐ使えるAPI/サービスも数多くあり、英語や日本語といった自然言語も理解できるので、いままで人間の手でおこなっていたメールの返信や、コールセンターでの受け答えなどの業務をおこなうこともできます。しかしコグニティブ・コンピューティングは人間から仕事を奪ってしまうものではなく、決定するのはあくまでも人間という考えのもとに設計されており、人間がより良い判断ができるようサポートしてくれる性質を持っています。

 

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