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コグニティブ・コンピューティングはAI(Artificial Intelligence:人工知能)と混同されますが、AIが人間の脳を模倣しているのに対し、コグニティブ・コンピューティングは人間がより良い判断ができるようアドバイスをしたり、人間の能力を補強したりするなど、人間をサポートすることを目的として設計されています。
コグニティブ(cognitive)という単語には「経験的知識に基づく」という意味があります。コグニティブ・コンピューティングとはコンピュータが人から与えられた命令を処理するだけでなく、あたかも人間のように自ら考えて、学習し、人間の意思決定をサポートする材料を提示してくれるシステムのことをいいます。

コグニティブ・コンピューティングができること

コグニティブ・コンピューティングは、数値や単純なテキストだけでなく、自然言語や画像、音声、人の表情などといった非構造化データも理解することができます。世の中のデータのうち、約80%が非構造化データといわれており、いままでよりはるかに多い複雑なデータを理解し処理することが可能になります。コグニティブ・コンピューティングのような第三世代コンピューティング以前のシステムでは、答えがひとつしかないような問題を処理することがほとんどでしたが、コグニティブ・コンピューティングは答えがひとつとは限らない問いかけに対して最善の答えを見い出すとか、曖昧な問いかけに対しても答える能力を持っています。また導き出した答えに対するフィードバックを受け取ることで、自ら学習をし、正確な答えが出せるように進化していくディープラーニングの機能を備えています。

コグニティブ・コンピューティングの活用法

コグニティブ・コンピューティングを代表するIBMの「Watson(ワトソン)」を採用したコグニティブ・プラットフォームは、さまざまな分野での活躍が期待されています。例えば医療の現場でコグニティブ・コンピューティングで蓄積された情報を分析し、症状から最適な治療法を導き出します。医師はそれを見て治療方針を組み立てることが可能です。またコグニティブ・コンピューティングではユーザーの性格や嗜好などを分析して好みに合う商品をおすすめするなど、きめ細やかなサービスを提供し、売上を伸ばすこともできます。英語や日本語といった自然言語も理解できるので、いままで人間の手でおこなっていたメールの返信や、コールセンターでの受け答えなどの業務をおこなうこともできます。しかしコグニティブ・コンピューティングは人間から仕事を奪ってしまうものではなく、決定するのはあくまでも人間という考えのもとに設計されており、人間がより良い判断ができるようサポートしてくれる性質を持っています。

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