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部屋の片づけを特集したあるTV番組で、片付けのプロが部屋を整理整頓するポイントは「まずは要らないものを捨てること」と言っていました。いわゆる断捨離。実は会社内の文書でも同じことが言えるのです。
文書の管理活用ができていない企業の多くは、ほとんどの文書を捨てられずに保持し続けています。確かに永続的に保管しなければいけない文書もありますが、多くの文書は一定期間保管した後に破棄することが可能なものがほとんどです。逆に、保管する文書が無駄に増えれば増えるほど、文書を格納するための棚や、分類・検索インデックスの管理なども増え、文書管理は非効率で、かつ複雑になっていきます。
文書管理では、まずは捨てる文書と残す文書を分別し、残す文書は保存期間を定義する、いわゆる文書管理規定を作成し、この規定に基づいて常に最適な文書管理と運用をしていくことがポイントとなります。
そして、この文書管理規定の作成時に役に立つのが「文書のライフサイクル」という考え方になります。

「文書のライフサイクル」とは


‟紙文書及びマイクロフィルム文書の電子化プロセス”を規定した「JIS Z 6016」では、文書のライフサイクルを「文書の寿命特性、又は文書を作成、登録、利用、保管・保存及び廃棄する一連のプロセスの全期間」と定義しています。

つまりは文書が作成・取得されてから廃棄されるまで(中には廃棄されず永久保存になるものもあります)の、いわば文書の一生をライフサイクルとして定義したものになります。
文書のライフサイクルとしては、「作成・取得」「処理」「保管」「保存」「廃棄」という5つのフェーズがあり、基本的にはこの5つのフェーズに基づいた管理が必要となります。そして、企業の文書管理規定はこのライフサイクルを基に作成されるのが一般的です。

ライフサイクルの各フェーズ

「作成・取得」フェーズとは文字通り文書を自分で作成する、または、文書を他から取得するフェーズです。ウイングアーク1stの「SVF」、日立製作所「EUR」、富士通「List Creatorに代表される帳票作成・運用ツールの多くは、この「作成」フェーズの役割を担う製品となります。
「処理」フェーズとは作成・取得した文書を業務内で活用・処理するためのフェーズとなります。例えば、取引先に請求書や見積書を社内承認後に提示したりするのがこのフェーズです。
「保管」「保存」フェーズとは、主要な処理や活用が終わった文書を格納管理し、いつでも検索や参照ができる状態にしておくフェーズです。ちなみに「保管」は処理後、数ヶ月から1年位の期間に参照する可能性が高い文書を格納管理するフェーズとなり、「保存」は法的要求や各企業の文書管理規定上、数年から永年といった長期保存をしなければならない文書を格納管理するフェーズとなります。
「廃棄」フェーズとは、文書管理規定等で定められた保存期間を経た後、文書管理規定に基づき文書を廃棄するフェーズです。

なぜ「保管」と「保存」を分けるのか?

文書を再利用する、または参照する頻度、いわゆる文書の利用頻度は、ある一定期間を過ぎると著しく低下します。アメリカのNational Record Management Council(通称NAREMCO:ナレムコ)によると、事務員が見る文書の99%が、作成・取得から1年以内のものだという報告があります。そのため、比較的頻繁に参照する保管文書とあまり参照されない保存文書を同じレベルで管理すると、必要な文書の検索時に保管文書と保存文書どちらもヒットしてしまい検索効率が下がる可能性があります。

執筆者:直江 優 (ナオエ ユタカ)

ウイングアーク1st株式会社 ビジネスデベロップメント統括部
テクニカルセールス部 第3グループ グループマネージャー
文書情報管理士上級
大学卒業後、舞台演出・プロデューサー、ITインストラクター、プログラマー、SEを経て2007年ウイングアーク1st株式会社に入社。帳票製品のサポート部門を経験し、現在のプリセールス部門に所属。 2016年文書情報管理士上級を取得。東京生まれの京都(宇治市)在住。

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