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MaaSの具体的な例

現状だと、上記のように個別のサービスが例に挙がりますが、将来的には複数の乗り物やサービスが組み合わさります。ハフィントンポストに、将来のMaaSの例が載っていましたので引用します。

例えばAさんが、「かかりつけの診療所で診察した後、薬局で薬を受け取ってから夕飯用の買い物をして帰ってくる」という要求をスマートフォンのアプリに入力したとしよう。すると、ライドシェアサービスのクルマがすぐに家の前に来る。

診察を終えて診療所を出ると、そこには調剤薬局の移動販売車が薬を用意してくれている。薬を受け取って横断歩道を渡ると、ちょうどいいタイミングでバスが到着するのでスーパーの前までこれで行く。買い物を終えるとライドシェアサービスのクルマがやってくるので乗ると、そこには旅行帰りの仲のいいお隣さんが搭乗しており、おしゃべりしながら一緒に帰る。

自動運転の普及とMaaS-完全自動運転が普及した社会とまちづくり。その3:研究員の眼 | ハフィントンポスト

このように、複数の乗り物・サービスが結び付き合って移動が最適化されるのです。

とはいえ、これが数年内に実現することはないでしょう。日本には様々な障壁があり、実現するのはなかなか難しいです。しかし、日本から比較的近い台湾では、すでにMaaSの取り組みが進んでいます。

海外のMaaS事例~台湾の場合

台湾南部にある高雄市。こちらでは、架線なしのLRT(次世代型路面電車システム)や自転車シェア、無人自動運転バスの活用などの取り組みが行われています(参考記事)。

日本では、カーシェアリングのように単体でのサービスに注目が集まりがちですが、高雄市では複数の交通機関・サービスを組み合わせ、都市全体での「移動の最適化」が行われています。この事例は、MaaSのカオスマップで見てもらうとその混沌っぷりがよくわかる日本でも大いに参考にできると思います。

自動車メーカーの生存戦略

MaaSが普及すれば、自動車を保有しなくても良い時代が到来します。そうなれば、自動車会社は苦境に立たされてしまいます。

自動車メーカーは、MaaSとの”共生”を考えているようです。トヨタ自動車は、箱型のコンセプトカー「e-Palette Concept」を発表しました。これは箱型のボディに4輪もしくは8輪のタイヤを備えた自動運転対応の電気自動車で、ライドシェアなどの利用を想定しているといいます(参考記事)。また2018年8月28日には、トヨタ自動車はアメリカの配車サービス大手のUberに約5億ドルを出資すると発表しました(参考記事)。出資の理由は自動運転車の開発に出遅れているからということですが、これから自動運転車が主流になっていくことの表れと見ることができます。

そんな中、2019年3月28日には、MONET Technologiesはモビリティイノベーションの実現に向けた「なかまづくり」の一環として、企業間の連携を推進する「MONETコンソーシアム」を設立したことを発表しました。MONET Technologiesは、「モビリティサービスを通じて人々の暮らしをもっと豊かに」という理念のもと、MaaS事業を展開し、企業や自治体と連携し「MONETプラットフォーム」を利用した実証実験を行っているソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社です。

2019年3月現在、MONETコンソーシアムでは共にモビリティサービスを共創するコンソーシアムメンバーを募集している。(詳細はこちら

2019年3月28日の時点で、ヤマトホールディングス(HD)、ファーストリテイリング、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社、サントリーホールディングス株式会社、ヤフー株式会社、東日本旅客鉄道株式会社をはじめとする計88社が参加しています。
併せて同日には、MONET Technologiesが日野自動車およびHondaと資本・業務提携することも発表されました。物流、小売、商社、IT、金融、不動産など異なる業界に加え、同じ自動車業界も含めて「MaaS」加速へ向け今後も参加企業を広げていくそうです。

参考:「MONETコンソーシアム」参加企業一覧(2019年3月28日時点)

様々な乗り物やサービスがMaaSによってつながり、移動が最適化されます。自動運転車はそのなかの一つの乗り物として取り込まれていくことでしょう。自動車会社は、来る将来に向けて生き残りをかけて、新しいビジネスに進出しようとしています。

MaaSという概念はまだ生まれたばかりですが、今後急激に成長する可能性のある分野の一つであることは間違いないでしょう。物流と同様、ヒトやモノを物理的に移動させることはテクノロジーが進化したとて、誰かがやらなくてはならないいわゆる「物理的作業」であり、まだまだ進化・効率化の余地のある分野として、データのじかんでも注目していきたいと考えています。

(安齋慎平)


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