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MaaS(マース)という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。今後注目の概念であり、私たちの生活を大きく変える可能性があります。そこで今回の記事では、このMaaSを取り上げたいと思います。
MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、日本語にすると「サービスとしての移動」となります。個々人の移動を最適化するために様々な移動手段を活用し、利用者の利便性を高めるものです(参考記事)。
まずは、フィンランドの交通通信省(Ministry of Transport and Communications)によるこちらのアニメーション動画をご覧ください。
ご覧のように、バス、電車、レンタカー、タクシー、レンタサイクル、飛行機などあらゆる交通手段がニーズに合わせてパッケージ化され、定額で提供される、というサービスになっています。これにより、人は車を所有することから解放され、より多くの自由な時間を過ごせ、駐車場として使っていたスペースを別の用途に活用でき、環境汚染を減らし、不要な出張を減らし、通勤の質を向上させ、車の故障などのトラブルに悩まされることもなく、結果としてより自由な人生を楽しむことができる、というコンセプトです。
総務省のウェブサイトにもMaaSについて書かれたページがあり、ここではMaaSは下記のように定義されています。
MaaSとは
電車やバス、飛行機など複数の交通手段を乗り継いで移動する際、それらを跨いだ移動ルートは検索可能となりましたが、予約や運賃の支払いは、各事業者に対して個別に行う必要があります。
このような仕組みを、手元のスマートフォン等から検索~予約~支払を一度に行えるように改めて、ユーザーの利便性を大幅に高めたり、また移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てようとする考え方の上に立っているサービスがMaaSです。
バスやタクシーや電車、シェアサイクル、Uberなどのライドシェアもこれに含まれますが、特筆すべきはカーシェアリングです。かつては車を所有するのが一般的でした。昔は「車を持っていないとモテない」というエピソードもあるくらい、みんなこぞって自動車を保有する時代だったのです。
しかし、時は移り、日本でも車を所有しない人も増えています。一般社団法人日本自動車工業会の2015年「乗用車市場動向調査」によれば、若年層の車への関心層は若者全体の3割程度で、3割はまったく関心がないという状況です。もちろん都市部よりも地方のほうが車の保有率は高いと思いますが、全体的に若年層の車への関心が低くなっていることがわかります。
一方、三井不動産リアルティのカーシェアリングに関する調査によれば、カーシェアリングの利用意向に関して男女10代、男性20代で40%を超える人が「利用したい」と答えています。若年層は車を所有するのではなく、車を使いたいときに使えるシェアリングエコノミーに関心があるようです。
このように、カーシェアリングをはじめとするMaaSは、今後若者を中心に普及していくものとみられています。ちなみに日本のあるカーシェアリング会社の費用は15分206円(ガソリン代含む。維持費別)だといいます(参考記事)。ちょっとした移動でしか車を利用しない人なら、カーシェアリングをしたほうがお得ですね。
それでは、MaaSの具体的な例をみてみましょう。
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