シチズンデータサイエンティスト元年とは、シャドウIT(セルフサービス型のBI)の時代から、より戦略的に情報を活用できるシチズンアナリティクスに移行が始まる年のことです。
シチズンアナリティクスには、情報が散在することによる企業のコンプライアンスやガバナンス面、セキュリティ面などの問題を解決することも期待されています。
そもそもデータサイエンティストとは、「ビッグデータ」と呼ばれる複雑で膨大な情報を分析し、さまざまなビジネスに活用できる多くの情報から、企業をよりよく発展させるための予測を立てる専門家です。
インターネットが発達した時代においては、単に情報を収集する能力だけではなく、有益な情報を入手する能力やそれらを用いて予測を立てる能力が求められるため、データサイエンティストが注目されるようになりました。
データサイエンティストはデータを抽出し、抽出したデータを分析し、予測モデルを構築します。データサイエンティストになるために特に資格は必要ありませんが、分析・統計に長けた能力及びコンサルティング力が必要であり、特に分析力が重要になります。さまざまなソフトウェアを活用できる能力も求められるでしょう。データサイエンティストの仕事は、誰にでもできるような仕事ではなく、引く手あまたの人材であるため給料も高く、データサイエンティストを求めているすべての企業に配置できるわけではありません。
これに対し、ガートナーによると、「市民データサイエンティスト/シチズンデータサイエンティスト」(Citizen Data Scientist)とは、数学や社会科学などを専攻し、ある程度のデータ分析スキルを有するものの、データサイエンティストほど特化した能力はもたない人々のことです。
営業やマーケティング、財務や経理、工場といった量産部門などさまざまな部門に属する人々であっても、分析を人工知能による自動化に委ねればデータサイエンティストと同等の職務をこなすことができます。シチズンは「citizen(市民、国民)」の意味であり、「シチズンデータサイエンティスト」の名前には専門家のみならず、より一般的な人々が有効なデータに基づく予測を立てられるような「データの民主化」時代が到来することへの期待が込められているといえます。さらに、ガートナーによると、2019年までにはシチズンデータサイエンティストによるデータ分析の量がデータサイエンティストのデータ分析量を上回るだろうと予測されています。
このように、データサイエンティストのようにデータ分析の実務を行わないまでも、分析ツールの基本的な操作方法や、分析のロジックが分かっていること、そして何より実務におけるドメイン知識を持っており、データサイエンティストとビジネスサイドの考えを翻訳する役割として「ビジネストラスレーター」にも注目が集まっています。
(データのじかん編集部)
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