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データ活用とは、企業に蓄積されている様々なデータを、業務効率化や生産性向上といった業務改善やイノベーションなどによる事業の発展を目的として日々の業務で、継続的に活用し、「ビジネスに役立てる」ことを指します。
総務省が発表したデジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究(2020)では、大企業でも9割、中小企業でも半数以上がデータ活用に取り組んでいると報告されています。
この報告ではあらゆる業種・職種の半数以上において、「非常に効果があった」または「多少効果があった」と回答しており、データ活用に取り組むことで一定の効果が得られていることを示しています。
データ活用とデータ分析では、目的において大きな違いがあると言えます。
手段 | 目的 |
---|---|
データ活用 | データから知りえた情報を活用しビジネスに役立てる |
データ分析 | データから知りたい知見を獲得する |
データ活用は、データを用いて業務の効率化や生産性の向上など、データをビジネスに役立てることを目的に行われます。一方、データ分析の目的は、情報の中から、知見を獲得することです。そのため、データ分析した結果得られた知見をビジネスに活かしていくのがデータ活用といえます。
データ活用では実務経験をもとにデータから得られた知見を業務に落とし込むスキルも求められますが、データ分析では、数字の加工や統計的な判断を行うスキルが必要になります。
技術の発展に伴い、多種多様で膨大なデータ(ビッグデータ)を扱うことが可能になりました。このビッグデータを活用することで、「認知」「判断」「実行」の精度向上が見込まれています。例えば「様々なデータを連携することで生まれる価値」や、「大量の情報を基にした精度の高い決定」「リアルタイムの提案」などです。こうした結果、今までになかったビジネスモデルの創出、業務効率化、的確な経営判断などが可能になると考えられています。
Point|そもそもビッグデータってどんなもの?
平成24年度版情報通信白書によると、ビッグデータについて「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」と定義しています。どの程度のデータ量であれば「ビッグデータ」と呼ばれるのかについて、実は明確な定義はありません。目的によって、必要となるデータの量は異なると考えられるためです。ただ多くの分野において、最低でも数十テラバイトから数ペタバイトの範囲に及ぶと推定されており、これが一応の基準と言えそうです。
参考:総務省「情報通信白書平成24年版」
収益向上が目的の従来の企業の活動は、過去に培った経験や勘を頼りに施策の策定や実践に取り組んできました。
これらの多くは、失敗しても調整しながら成功するまで繰り返し挑む、いわゆる「カットアンドトライ」になるのはもちろんのこと、短期間で成果が得られなければ、無関心になってしまい、取組みの最中の軌道修正や、Check(測定・評価)すら行うことなく、いつの間にか形骸化しているケースも実は少なくはありません。
これは、取組みの策定の際に企業がよく利用するPDCAにおいてデータを活用しないため、Plan(計画)で的を射ていない、Check(測定・評価)ができずAction(対策・改善)に進むことができない、などが原因として挙げられます。
競合他社との競争激化が進む中、データを活用して、無駄な施策の取組みや失敗を避けるには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が必要不可欠で、しっかり取り組むことで、自社のリードに繋がる以下の施策が実践できるようになります。
企業の運営は様々な業務で形成されていますが、それらが適切化されているかどうかは、データで判断しなければ明確に捉えることができません。
例えば人手による帳票作業の工程の内容と工数をデータで把握し、自動化システムを導入することで省人化やコストカットといった施策が、また作業工程とヒューマンミスの発生状況をデータで把握することで、原因が突き止められ、品質向上の施策が打てるなど、業務の効率化や改善が推進できるようになります。
「営業は足で稼ぐ」はすでに時代遅れのように思えますが、まだこのようなやり方を慣習にしている企業は実は少なくはありません。
昨今は同じコト・モノにおいても様々な選択肢があり、それに伴い、顧客のニーズや嗜好、心理・行動が複雑化し続けています。
購買においては顧客の属性(性質・特徴)、購買行動、広告への反応、過去の商品の売れ方などをデータ活用で分析することで、期待値の高いターゲットの抽出や費用対効果の高い集客の施策によるセールス、マーケッティングが策定できるようになります。
自社が提供するサービスや製品の顧客関係管理で得たデータを活用することで、顧客のニーズが、開発過程のデータを活用することで企業側のシーズが分かるようになり、これらを融合することで、付加価値や新たなビジネスが探索できるようになります。
新たな付加価値やビジネスの創作は経営戦略においても必要不可欠で、さらにデータ活用でリスクヘッジすることで大幅な収益の向上が期待できます。
総務省の「情報通信白書平成29年版」では、データ活用において利用するデータの種類を以下のように定義しています。
データの主な種類について | ||
---|---|---|
オープンデータ | 国や地方自治体から提供されるデータ | |
企業データ | M2Mデータ | IoT機器など機械から収集されるデータ |
暗黙知データ (知のデジタル化) | パーソナルデータ以外の産業や企業が持っているデータ | |
パーソナルデータ | 個人情報だけでなく、個人との関係性が見出されうる広範囲のデータ |
参考:総務省「情報通信白書平成29年版」
企業が活用するデータは、経営戦略、セールス、マーケッティング、業務改善など、目的によって異なってきますが、オープンデータであれば、気象データなど、企業データであれば、センサーデータやGPSデータなど、パーソナルデータであれば、顧客データ、アクセスログ、販売記録データなどです。
データ活用においては様々な種類のデータを組み合わせて分析しますが、例えばマーケッティングにおいては、気象データと販売記録データを分析することで、ある時期の晴れの日の売り上げや来店者数を予測したりします。
オープンデータとは、国や地方公共団体及び事業者が保有している官民データの中で、国民全員がインターネットなどを通じて簡単に利用できるように公開されているデータのことを指します。誰でも無償で利用できるため個人や企業など広く利用されるのが特徴です。
オープンデータは具体的には以下のように定義されています。
国、地方公共団体及び事業者が保有する官民データのうち、国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう、次のいずれの項目にも該当する形で公開されたデータをオープンデータと定義する。
1.営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの
2.機械判読に適したもの
3.無償で利用できるもの
引用:総務省「ICT利活用の促進|地方公共団体のオープンデータの推進」
企業データ | |
---|---|
M2Mデータ | IoT機器など機械から収集されるデータ |
暗黙知データ (知のデジタル化) | パーソナルデータ以外の産業や企業が持っているデータ |
M2Mデータや暗黙知データ(知のデジタル化)を含めて産業データと呼びます。現在産業データ領域において、日本の競争力を発揮できるため、産業力の強化が望まれています。
M2M(Machine to Machine)データは、M2Mから抽出可能なストリーミングデータのことを指します。例えば工場などの生産現場の場合、IoT機器から収集されるデータなどはM2Mデータにあたります。
暗黙知データ(知のデジタル化)とは、パーソナルデータ以外の産業や企業が持っているデータのことを指します。今後、身の回りにある様々な知識がデジタル化されることが予想されています。その結果、従来はベテランの経験や勘といった定性的だったものが、定量的なデータになり活用されていくことが期待されています。
パーソナルデータとは、個人情報だけでなく、個人との関係性が見出されうる広範囲のデータのことを指します。個人の属性情報や移動、行動、購買履歴など端末により収集された情報から特定の個人であると分からないように加工された情報まで様々です。
ここではビジネスにおけるデータ活用のメリットについてご紹介します。
自社に蓄積されたデータを分析・活用することで、売上の向上が期待できます。数値の変動や傾向などを分析することで、よりクライアントに寄り添った提案をしたり、消費者に支持される企画を立案したりすることも可能になるでしょう。
またデータはリアルタイムでの集計が可能なため、「購買意欲が高まっているタイミングで適切な商品を提案する」など従来よりも柔軟な対応が可能になることも考えれらます。
データ分析を行うことで業務の無駄やボトルネックを見つけ出すこともできます。データ活用することで、結果としてコスト削減・効率化に繋げられるでしょう。現場では、ベテランの経験や勘が物事を決定することも多いですが、それが本当に正しいかはわかりません。データ活用することで、長年の経験や勘では見つけられないような問題点に気付くこともできるでしょう。
データ活用は、新たな戦略や施策を導入する際にもメリットがあります。データを用いて分析することで社内の状況が明確になり、ビジネスにおける課題やイノベーションの発見が可能です。また、見つけた課題を元に戦略や施策を導入した場合にも、データを元に効果検証を行えるため次の施策に向けて動き出せます。
データ活用を導入することで、蓄積された売上データやマーケティングデータ、WEB解析データなどのデータに基づいて判断・意思決定する「データドリブン」が実践できるようになります。
昨今のビジネスの現場、市場、顧客行動は複雑化を辿りつづけているため、人の想像・推論の範囲内での判断や意思決定は大きなリスクを伴います。
BIツールの登場により、膨大で様々なデータの可視化を実現し、可視化したデータを分析することで、ビジネスチャンスの早期発見、的確で迅速な判断や意思決定ができるようになりました。
一口にデータ活用といっても、様々な取り組みが考えられえます。ここではデータを活用する際に考えたいポイントと取り組むべき内容についてご紹介します。データ活用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
引用:総務省「総務省|令和2年版 情報通信白書|日本企業におけるデータ活用の現状」
データ活用を行う際は、どのようなデータが活用可能で、どのように活用できるのかを知ることが重要です。例えば、顧客データでは、どういった層が顧客なのかといったセグメント分析、購入頻度や購入額が高い顧客を割り出すRFM分析などが可能です。活用可能なデータの種類と活用方法を知ることで、売り上げアップや業務効率化に繋げられます。
上記は日本企業で活用されている主なデータの内訳です。顧客データだけでなく、業務日報データやECサイトにおける販売記録も活用されているのがわかります。
引用:総務省「総務省|令和2年版 情報通信白書|日本企業におけるデータ活用の現状」
上記の表は業種、職種ごとにデータ活用が行われている割合を示しています。どの区分でも「経営企画・組織改革」「製品・サービスの規格、開発」「マーケティング」の分野でデータ活用が活発に行われているようです。
データ活用が可能、もしくは実行しやすい業種や領域について知ることで、どんな業務効率化をすればいいか目標を立てやすくなります。マーケティング領域の業務であれば、市場分析や施策立案、効果検証など様々な場面で、データを活用可能です。市場分析ではクラスター分析、施策立案や効果検証の場合は資料として活用します。
引用:総務省「総務省|令和2年版 情報通信白書|日本企業におけるデータ活用の現状」
データ分析を行う際には、それを行う人材の確保が必要不可欠ですが、日本ではデータ分析を行う人材が不足している傾向にあります。総務省が発表した令和2年度版情報通信白書によると、中小企業ではデータ分析を行う際に専門でない人が担当している割合が50.6%。また、外部に委託する場合も、社外秘の情報や個人情報に注意しなければならないといったセキュリティ面などの課題から、全体で20%を下回っています。そもそもリソースを確保できていなければ、効果的なデータ活用をするのは難しくなるでしょう。もしも「データを扱える人材が不足している」「社内のリソース不足」といった問題を抱えている場合には、BIツールの導入も検討してみてください。
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、ビックデータから必要な情報を抽出し、ひと目でわかるように分析するツールのことで、企業に蓄積された大量のデータを集めて分析・見える化することで、迅速な意思決定を支援します。
まずは、データ分析を行う目的の設定を行いましょう。「顧客満足度の向上」「生産コストの削減」「業務に最適な機材の選定」といった具体的な目的を決める必要があります。
目的を設定できたら分析課題を決めていきます。例えば顧客満足度を向上させたいという場合であれば、顧客満足度が増減する要因を特定するという課題が考えられます。さらに「目的を達成するためには何を分析すれば良いのか」も考えましょう。
データ収集では、決定した目的と課題を元に必要なデータを収集し、設定していきます。目的や分析課題を元に行う方法では、効率的な分析作業になる可能性が高いほか、不足データの入手や設定が検討可能です。
必要項目の追加や入力ミスの訂正といったデータの加工を行います。複雑になってしまっているデータを整理することで、関連や要因を探りやすくなります。
数字や文字のままのデータの場合、ひと目で状況がわかりづらいため可視化が必要です。ツールを用いてグラフや表として可視化することで、作業がしやすくなるだけでなく、情報が多くの人に伝わりやすい形にもなります。
可視化したデータを元に、全体像や外れ値を中心に分析を行います。突出した外れ値はエラーの場合もありますが、価値ある分析のきっかけになることもあります。活用できる要素が隠れていないか読み解いていく必要があります。
データ分析で得られた知見を基に、アクションプランを策定します。この時、冒頭で設定した目標が明確であればブレのないアクションにつながりやすくなります。また実行した後には効果検証も忘れずに行いましょう。データ分析が上手くいっていたとしても、アクションプランが上手くいっていなければ目的は達成できないためです。
総務省が令和2年に公表した「5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築」の
「情報通信分野の現状と課題」では、以下を日本のデータ活用の課題として掲げています。
・データの収集・管理に係るコストの増大
・データを取り扱う(処理・分析等)人材の不足
・ビジネスにおける収集等データの利活用方法の欠如、費用対効果が不明瞭
これらの課題の解決策として、データのフォーマットのばらつきや品質の確保、データ共有を社会全体で円滑に行うための枠組みの構築、オープンデータの拡大と利活用などが効果的であると講評しています。
プロセス | 内容 |
課題 | ・定量的な評価の実現 ・データの可視化 |
解決策 | ・データを自動でリアルタイム集計し、不安全データの発生場所を地図で可視化 |
効果 | ・適切な教育が可能になり、安全品質が向上 ・データ集計が容易に |
高速路線バス事業を展開するベイラインエクスプレスでは、走行中の不安全データをわかりやすく可視化し、運転士の教育や評価に活かす目的で、2019年10月に「MotionBoard」を導入しました。以前までは属人的な運転手の評価だったものの、導入により運行状況をもとに客観的な評価が可能になりました。今後はさらなる安全品質の向上に向けて、データ活用を促進していく見通しです。
プロセス | 内容 |
課題 | ・グループ内およびグループ外の多数の情報システムを安定運用したい ・サイロ状態にあった各システムの運用状況を一元的に可視化したい |
解決策 | ・画面更新の間隔やデータ連携頻度の設定を柔軟に行えるリアルタイム性 ・集計表、チャートなどデータに合わせた豊かな表現力 ・現場の要望を取り入れたダッシュボード設計が可能 |
効果 | ・システムの異常検知時の調査時間を1/5程度に削減 ・システム障害を未然防止するプロアクティブなシステム運用へ移行 |
ヤマトシステム開発株式会社では創業時からの開発・運用により大規模化したITサービスのサイロ状態に悩まされていました。管理対象のデータを一元管理し、可視化するプラットフォームが求められ、導入に着手。「MotionBoard Cloud」を導入し、誰もが見たい情報を見たいメンバーが求めるタイミングで閲覧できる環境が実現しました。結果としてデータ活用が容易になり、パフォーマンス低下に陥る兆候を事前に掴んで対処するなど迅速な対応に繋がっています。
プロセス | 内容 |
課題 | ・過去の業務内容に対して閲覧制限がある ・照会依頼に対応する業務が発生 |
解決策 | ・データ連携処理を行うDataSpiderにSPA・Dr.Sumを連携し、SVFによってPDF化し、 見読性を担保した状態でワークフローデータを格納 ・ユーザー側ではMotionBoardをインターフェースとして活用、Dr.Sum・SPAをデータソースとし 社員全員が検索可能にする |
効果 | ・社員が必要な形で検索可能に ・照会業務の大幅省力化 ・業務改善に関する提案書が部門をまたいで共有可能に |
航空機の内装品の製造などを行う株式会社ジャムコでは、他の社員が担当した業務内容をシステム上で確認できず、オペレーションが煩雑になっているという課題がありました。そこで、ドキュメント管理ソリューション「SPA」を新たに導入し、社内のワークフローデータの可視化を目的とした、案件照会システムを構築。自分自身が担当していない案件でも検索可能になり、社内でノウハウなどを共有する体制が構築され、同時に情報システム部の業務効率化も実現しました。
プロセス | 内容 |
課題 | ・施策のPDCAに対するタイムラグ ・特定の部署に依拠しないデータ活用 ・現場の求めるUIの実現と活用の定着 |
解決策 | ・データの抽出・加工を不要にする ・グラフだけでなく様々なデータの可視化 ・Salesforceとのシームレスな連携の実現 |
効果 | ・リアルタイムな現状把握可能に ・データ集計や加工にかかる作業が効率化 ・データを元にしたコミュニケーションの活発化 |
テクノロジーとデータ活用を軸として新たなサービスや金融商品を提供している新生銀行では、データを元にした施策を迅速に展開するために、「MotionBoard」を導入。管理部署を介さなくとも、現場でデータ活用のPDCAを回せるような土壌を実現しました。今後は特定の部署や担当者を頼らなくとも現場自らがデータを活用した行動を起こせるような体制を強化していき、データ活用の定着化を推進しています。
プロセス | 内容 |
課題 | ・データウェアハウスの処理性能が限界 ・既存のBIツールによる柔軟なデータ分析が不可能 |
解決策 | ・大規模データを処理可能なDr.Sumの導入 ・2ユーザーインターフェースの使い分け |
効果 | ・データ抽出および集計のレスポンスの短縮 ・様々な切り口にから柔軟なデータ分析が実現 ・日報担当者の工数を“ゼロ”に削減 |
自動車および各種機械・機器類の部品、付属品販売を行う日発販売株式会社では、既存のデータウェアハウスの処理性能が限界に達したことや、既存のBIツールの自由度の低さも問題として上がっていたことからエンドユーザー用のBIツールを含めた基盤の全面刷新に着手しました。「Dr.Sum」と「MotionBoard」を導入することで、データ抽出・集計のレスポンスの驚異的な短縮を実現。データ分析する際にはユーザーの思考を止めない作りになったことで、データ活用のしやすい環境を実現しています。さらに「SVF」とDr.Sumを連携させた日報作成・配布プロセスの完全自動化を実現したことで、日報作成担当者の工数ゼロを達成しています。 今後はさらにデータを蓄積し、ビッグデータ活用も視野に入れ、取り組みをさらに活発化させていく見通しです。
プロセス | 内容 |
課題 | ・営業力の強化 |
解決策 | ・ノンプログラミングでのダッシュボード構築を実現 ・データ連携ツールを活用した他社製品との柔軟な連携 |
効果 | ・各営業担当者の売上実績や進捗状況をデータで把握 ・全社的な営業戦略に基づいたお客様のRFM分析を推進 |
九州全域を商圏とするICTソリューションベンダーのエコー電子工業では、ボトムアップでデータ分析基盤の構築に取り組みました。今まで情報は、Excelで作られたフォームを介して入力され、基幹システムに蓄積されてきましたが、定期的な営業報告のための資料づくりにしか活用されていませんでした。地域密着を特長とする営業力をさらに強化を目的として、営業の実績情報を「Dr.Sum」に取り込み、「MotionBoard」のダッシュボードで可視化するという施策を実施。単なる報告のためのデータ入力・管理から、営業担当者自身にメリットが還元されるデータ活用・分析へと変革を果たしました。今後は、経営層や管理職をターゲットとしたマネジメント視点のダッシュボード構築も見据えています。
プロセス | 内容 |
課題 | ・Excelを用いた人件費管理がブラックボックス化 ・予実管理の複雑化 |
解決策 | ・帳簿データと予算・見込みデータを一元化 ・給与データと社員情報をDB化 |
効果 | ・工数削減に成功、業務効率化を実現 ・財務数値をリアルタイムで反映することで、スピーディな意思決定に寄与 |
「病児保育問題」「待機児童問題」といった社会問題の解決を目指している特定非営利活動法人フローレンスでは、組織規模の拡大に伴い、各事業部の業務管理が複雑化していました。特に、スタッフの多くの人件費管理をExcel上で行っていたためブラックボックス化が進行。会計システムの刷新を検討していました。そこで、WingArc1stからの寄贈により「Dr.Sum」、「MotionBoard」を導入。リアルタイムでの業績を分析だけでなく、スピーディな経営意思決定をサポート可能な財務チーム構築を実現しました。
プロセス | 内容 |
課題 | ・膨大な量の顧客の行動データを、スピーディーに分析したい ・専門家でなくとも直感的に使える商圏分析の基盤を構築したい |
解決策 | ・顧客の行動データをスピーディーに地図上にプロットでき、直感的に操作可能な MotionBoard Cloudの導入 ・クラウドを利用することで、サーバーの運用負荷低減 |
効果 | ・一画面のダッシュボードの中にエリアマネージャーや店舗開発担当者が必要とする 情報を揃えることができた ・MUJI passportのデータを使って、エリアマネージャーが自分の担当しているエリアの商圏を 分析できるようになった ・店舗開発担当者が新規出店の際に既存の店舗への影響を予測したり、オープン後に 予測どおりか確認できるようになった |
「無印良品」の企画開発・製造から流通・販売まで担う株式会社良品計画は、実店舗における売上向上を目的としたデジタルマーケティング施策として、スマートフォンアプリ「MUJI passport」を展開しています。MUJI passportのサービス開始以来、アプリから顧客の行動データを収集しているものの、データを分析できる環境がありませんでした。そのため、エリアマネージャーは担当エリアの商圏を感覚的な把握のみになってしまい、蓄積されたデータを有効に活用できないという状況に陥っていたのです。そこで店舗の位置とアプリから取得可能な顧客の行動データを「MotionBoard Cloud」を利用し地図上で分析、エリアマネージャーや店舗開発担当者による客観的な商圏分析を実現しました。今後は、エリアや顧客の年代、性別などの切り口で利用状況の把握を地図上で示す、スピーディーな商圏分析も視野にいれています。
データを適切に活用することで、業務効率化だけでなく課題発見や新たな施策の策定につなげることも可能です。今後、IT化やDXの推進によって、データ活用はさらに発展していくでしょう。自社に蓄積されているデータを、積極的に取り入れて有効活用していくことで、新しいビジネスの可能性が見出せるに違いありません。
データのじかんを運営するWingArc1stでは、データ活用によりビジネスをアップデートする「UPDATA DX」という考え方を提唱しています。データ活用によって自社の課題解決をするだけでなく、ビジネス改革の糸口も見えてくるはずです。データ活用に興味のある方は、ぜひ一度WingArc1stの「UPDATA DX」の考え方をご確認ください。
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