会場では映像を使ってデジタル戦略部門の中枢を担う「SOMPO Digital Lab」を紹介。
研究機関として東京と米国シリコンバレーにを設立し、海外の先進事例を把握しながら、業務の効率化や顧客接点の変化への対応、デジタルネイティブ向けマーケティングの開発をおこなうものです。組織体系としては「既存ビジネスのデジタルシフト支援(デジタルを活用し既存ビジネスを進化)チーム」と「新規事業の創出(既存事業の脅威に自ら取り組む)チーム」に分かれ、東京とシリコンバレーをテレワークでつなぎ、で技術を醸造する目的を持ちます。
「金融でも保険屋でもないIT中心の企業になっていくべきで、保険業以外の新しいポートフォリオを作っていきながら、数年後には『保険屋だった』と言われたいと話しています。
シリコンバレーでデータを集め、日本で応用できそうな技術を輸入する。テレワークについては、最近サイバーセキュリティー事業に本格的にチカラを入れているため、技術の樹立、テクノロジーの模索も兼ねて組織構成となっています。そのなかで私は事業戦略をデータ戦略へと落とし込み、分析環境を作る、データサイエンティストの組織を立ち上げています。」
中林氏は、併せてデータによる新サービスの構想を紹介。例えばヘルスケアならば、スマホやウェアラブルデバイスで集積したデータをもとに、将来的な病気のリスクを予測したり生活習慣を提案するというものです。
「データを集計するだけではなく、個人レベルでデータを集めながらサービスの付加価値を向上させることがミッション。私達は全てのデータを集めるのではなく、データの選択と集中をしています。『量的優位』『新規事業活用性』でデータを評価し、最先端のクラウドプラットフォームを用意しデータを活用しています」
中林氏が提唱するのは、闇雲にデータを集めるのではなく、目的をもってデータを集め、価値あるデータを囲い込むアプローチを行うこと。そして重要なデータのみを構築・カタログ化し、データサイエンティストが仮説に基づいたアルゴリズムをつくって検証。そして未来予測に関するAIに特化し開発を進めてきました。こうした手法を用いた事例として、過去に展開してきたディープラーニングを応用したサービスやIoTデバイスを活用したサービス等を紹介。今後は人に関する健康支援データーベースで3つの生活習慣病のリスクを予測する構想を語りました。
SOMPOホールディングス株式会社
チーフ・データサイエンティスト 中林 紀彦氏
2002年日本アイ・ビー・エム株式会社入社。データサイエンティストとして顧客のデータ分析を多方面からサポートし企業の抱えるさまざまな課題をデータやデータ分析の観点から解決する。また、エバンジェリストとしてビッグデータをビジネスに活用することの価値を幅広く啓蒙。株式会社オプトホールディング データサイエンスラボの副所長を経て2016年より現職。重要な経営資源となった”データ”をグループ横断で最大限に活用するためのデータ戦略を構築し実行する役割を担う。また2014年4月より、筑波大学大学院の客員准教授としてデータサイエンスに関して企業の即戦力となる人材育成にも従事する。
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