高須正和×大川真史対談 21世紀の産業革命はメイカームーブメントの先にある | ページ 4 | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
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高須正和×大川真史対談 21世紀の産業革命はメイカームーブメントの先にある

         

本質的に正しい中国のIoT

高須 – 中国にはツァイニャオ(Cainiao)っていう物流サービスがあるんですよ。アリババのサービスなんですけど。何をやってるかというと、流通ネットワークをネットワークするっていうことをやっている。どのくらいの規模かというと、クロネコヤマトよりでかい。何がすごいかというと、何がどこから何にどう送ってきてるか、完全リアルタイムでわかるんです。

大川 – やばいですね。いろんな流通チャネルというか輸送チャネルも全部分かっちゃう。

高須 – 順豊(自分で郵送網を持っている中国版のクロネコヤマトのような会社)であろうが、街の郵送業であろうが、他社が持っている流通サービスであろうが、全部ツァイニャオ上のネットワークに1回登録されることになっていて。この間で、どっからスタートしてどこでハンドオーバーして。

大川 – 載せ替えとか詰め替えもわかってるということですね。

高須 – 全部分かります。そのほかにツァイニャオは何をやっているかというと、流通センター同士で、売れそうな貨物前渡しで配送したりとかです。これは、アリババがAIでビッグデータやりたいからやっている事業なんです。

僕がたとえばフリーランスのトラックドライバーだったとして、ツァイニャオに登録しておくと、まだ荷物に空きがあるよってツァイニャオ側に通知を入れると、限界まで荷物を詰めてくれるんですよ。限界まで荷物を詰めてくれて、しかもどこどこ流通センターまでいくやつだけ詰めてくれて。それが発注来てないやつだったりもするんです。AI的に先に送っといたほうがよいことになってるから計算して先を見越して手配してくれる

大川 – 求貨求車とか人が行なっているうちはダメで、よくわからないうちに何かが勝手にやってくれる状態ですね。

高須 – ツァイニャオもむちゃくちゃでかいファンドを持っていて、たくさんの出資を中国の輸送スタートアップとか、ラストワンマイル運ぶロボやりますみたいな会社とか、倉庫の会社とかに出資しています。

大川 – すごいな。

高須 – ちゃんとインターネットやってます。

大川 – いわゆるそれがIoTですよね。

高須 – これは完全にIoTです。だから、ツァイニャオさえつながっていれば、他のシステムは人でも機械でもいいし、正規の従業員でもパートタイマーでもいいわけです。誰がハンドオーバーしようが、とりあえず届くところまでは繋がっています。

大川 – こういうことが実施されている海外の産業を、日本の行政官は知らなきゃまずいですよね。

高須 – おもしろいのが、配送センターはだいたい団地の1階にあるんですけど、配送センター行くと、おばあちゃんが一人でお茶を飲んでいて、その前に整頓されていない段ボールが山と積まれているんです。日本から来た人は、これだけ見て帰るんだけど、裏側はこうなっているからそんな感じでもちゃんと荷物は届くんですよ(笑)。

大川 – 裏ではこういう仕組みがないと無理ですよね。どう考えても世界最先端だけど、現場で見るとそんな感じじゃないんだよな(笑)。日本の大黒ふ頭とかの物流センターの方が先進っぽい見た目なんですけどね。

高須 – 働いているのが全員いい加減で、誰もが働きたくないと思っている中国人でもちゃんとできるシステムっていうのを作ってる(笑)

大川 – そういうことなんですよね。日本だとそこまでやらなくてもできちゃうからやらないんですよ。

高須 – ツァイニャオの流通センター、雨少ない地方だと野積みしてあるんですよ(笑)。

大川 – 日本じゃなくても普通は絶対許されない(笑)。

高須 – 段ボールは当然全部透明のテープで(笑)。

大川 – 破れたりとか穴空いてたりしますよね。でも、へこんでるああいう状態こそがすごい先進的でデジタル。デジタルで表現できているからあんなものでよくて、という意識なんでしょうね。

高須 – あれで届くようにしなきゃいけないシステム作っていかなきゃいけなかったんですよ。それ偉いですよ。それで馬鹿にしていると、工場行くとこういうすごいシステムが急に出てくるんです(笑)。

まとめ

大川 – メイカームーブメントや同人ハードウェアを起点として、新しいデバイスやサービス、本当のIoTサプライチェーンの仕組みまで広がった「新しい産業」は、これから本格的して21世紀の大潮流になると確信を持ちました。これから先の世界を考えるためにも、今日時点で実際に何が起きているのか良く知っておく必要があるでしょう。 

講演のご案内

2019年11月22日に東京で行われるWAFで、高須さんの講演を実際に聞くことが出来ます。この記事を予備知識として、新しいテーマの話しや内容のアップデートも含めてお話しされますので、ぜひともお越しください!お申し込みはこちらからどうぞ。

(三浦一紀)


【footnotes】

[1] 東京大学の同級生であった猪子寿之氏等とチームラボを設立し、取締役CTOに就任。その後ロボティクスベンチャーであるユカイ工学を創業。

[2] 深センとサンフランシスコで展開している世界最大級のハードウェアアクセラレータープログラム。https://hax.co/

[3] MIT Ph.Dでオープンハードウェアアクティビストであるアンドリュー“バニー”ファン氏の著書。高須さん翻訳。著名翻訳家である山形浩生氏監訳。https://gihyo.jp/book/2018/978-4-297-10106-0

[4] 民生用ドローンで世界トップシェアを誇る深センの製造業。https://www.dji.com

[5] 深センのM5Stack社が作る小型のマイコンモジュール。日本を中心にアジアで急速に普及している。物凄いスピードで製品の改良や新製品リリースが行われる。文中にあるStickC、StickVも新製品のひとつ。https://m5stack.com

[6] 同人活動としてハードウェアを作っている人たち。同人ハードウェアミートアップ(https://dhwmu.connpass.com/)、同人ハードウェアフェス(https://mag.switch-science.com/2018/11/23/dhwfes/)などイベントを開催。

[7] 深センで日本企業に特化した ODM を行うジェネシスホールディングス(https://www.jenesis.jp/)の創業者、代表取締役社長

[8] 日本を代表する電子部品モジュール販売ECスイッチサイエンス(https://www.switch-science.com/)のうち、個人の作品を販売受託する事業

[9] 小米科技(Xiaomi)。北京の総合家電メーカー(https://www.mi.com/)。スマートフォンメーカーとして創業し、その後総合家電メーカーへと発展した。2020年度に日本市場に進出すると言われている。

[10] ルンバも製造販売しているアメリカのiRobot Corporation社の床拭きロボット掃除機

 
自分で作ることの重要性

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