新年が始まって早くも一か月が経過しましたね。
「データ」を中心とするテクノロジーの世界では、たとえ短期間であっても革新的な変化が次々と起こっています。1月も下旬を迎え、2024年のデジタルテクノロジーがどのような方向に進むかについての明確な傾向が見え始めています。【データのじかん】では、引き続き、期待される動向や革新的な情報を皆さまに提供していきます。
それではまず、今回紹介する記事のダイジェストの一読下さい!!
改正電子帳簿保存法の宥恕(ゆうじょ)期間が2023年12月をもって終了し、すべての企業が電子取引への対応を求められることとなりました。また、2023年10月にスタートしたインボイス制度への対応もすでに進められており、それに応じて業務プロセスの改革はすでに完了しているのが理想的です。そして、改正電子帳簿保存法、インボイス制度に適した業務プロセスを構築するにあたって必ず知っておきたいキーワードが「Peppol(ペポル)」です。「Peppol」とは何なのか、「JP PINT」とは何が違うのか、どのようなメリットがあるのかなどについて、この記事でまとめて解説いたします。
・「Peppol」とは? 「JP PINT」との違いやメリット、改正電子帳簿保存法やインボイス制度との関係を紹介
生成AIがビジネスや官公庁の現場に導入が始まり、やがて一般企業にも次第に普及していく時代になるでしょう。DX導入が遅れて労働生産性が非常に低い日本企業は、AIを利活用している企業との差が激しくなるばかりです。第3回は生成AI時代の到来を見据えて、日本の企業は次の一手をどうすべきかをビッグテックや欧州の戦略を参考に考察してみます。
・生成AIは世界を加速させる–第3回:日本企業が取るべき次の一手とは
世界のデータ通信量が年々、飛躍的に増加しているのはご存じのとおりです。米IDCの調査レポート『Data Age 2025』によると、2025年の世界のデータ総量は163ゼタバイト(1ゼタバイト=10^21(十垓)バイト)に達するとのこと。それに伴い、データ通信網の容量拡大や、消費電力の低減を実現する進化が求められています。NTTが打ち出した「IOWN構想」は、この課題に「光技術」を用いてゲームチェンジを起こすという考えを打ち出しています。すでに2023年3月16日には商用サービス「APN IOWN1.0」の提供も開始されたこのビジョンについて、今のうちに押さえておきましょう。
・‟光”をデータの処理に用いることで情報通信のゲームチェンジを狙う「IOWN構想」とは?
OpenAI社の『ChatGPT』が”iPhone”以来と言われるほどの大きな衝撃を世界に与えた2023年、さまざまな生成AI関連サービスが立ち上がっています。そのひとつとしてご紹介したいのが、2023年2月に一般にリリースされたNotionAIです。筆者も使ってみた結果、その機能には文章作成や翻訳、アイディア出しといった業務の効率を何倍にも高める可能性があると感じました。本記事では、2023年8月末時点においてNotionAIでできることやChatGPTとの違い、使い方について「Notionって何……?」という方でもわかるようイチから解説いたします。
・業務効率を何倍にも高めるかもしれない「NotionAI」とは? ChatGPTとどっちが便利?
西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)は2023年10月2日、新会社「株式会社TRAILBLAZER(トレイルブレイザー)」を設立しました。同社はJR西日本グループが進めるデジタル施策を加速させるのが大きな目的ですが、デジタル人材の確保・育成も狙いだそうです。鉄道会社では前例のない取り組みが実現した背景には、これまで自社で内製してきたデジタル戦略立案・実践チームの活動があります。同チームを束ねるとともに新会社の取締役にも就任した宮崎祐丞氏に、現在までの進捗や今後の展望などを伺いました。
・JR西日本がSIerに頼らずシステム開発を内製化し、さらにデジタル改革推進のための新会社も設立した理由–キーパーソンのJR西日本 宮崎祐丞氏に聞く
データのじかんでは、全国47都道府県の各地域のDXやテクノロジー活用のロールモデルや越境者を取材し発信しています。「Local DX」は地域に根ざし、その土地ならではの「身の丈にあったDX」のあり方を探るシリーズです。今回、インタビューしたのは新潟県佐渡市の天領盃酒造株式会社です。2018年、当時、証券会社に勤めていた加登仙一氏(現代表取締役社長)が同社の経営権を取得。24歳にして異業種から「史上最年少蔵元」が誕生したこともあり大きな注目を集めました。それから約5年、加登仙一氏は天領盃酒造の再構築を図り、1年足らずで黒字化に成功。2019年にリリースした天領盃酒造の新ブランド「雅楽代」は、2023年6月には、JALファーストクラスの機内酒としても提供されました。
・24歳で酒蔵をM&Aした越境者。 異色経歴の「史上最年少蔵元」が変革した天領盃酒造の5年とこれから
先行きの見えない昨今。投資に関心を持ち始めたという方も多いのではないでしょうか?そうした中で、少額から手軽に始められる投資手段が求められています。その中でも注目されているのが「NISA(少額投資非課税制度)」です。2024年には新NISAが控える中、今回は、NISAが一般の人々にどれくらい浸透しているのか、その実態を解き明かすべく、口座数や平均投資額に焦点を当てて調査を行いました。
・NISAってみんなはどのくらいやっている?口座数や平均投資額を調査!
データのじかんNewsのバックナンバーはこちら
2024.01.25 公開
「Peppol(Pan European Public Procurement Online:汎用ヨーロッパ公共調達オンライン)」は、ベルギーの非営利国際協会「Open Peppol」運営の、電子文書の取引における国際標準規格です。ヨーロッパを中心に、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリアなど30カ国以上が導入を進めており、日本は2021年9月にOpenPeppolに参加しました。
その名の通り元々はヨーロッパにおける公共調達(政府による調達全般)に用いられる目的で導入されたPeppolですが、その領域はBtoGのみならずBtoBにも拡大。そのネットワークを通じてビジネスドキュメントをスムーズかつ安全にやり取りでき、売り手と買い手の間に各自のアクセスポイントを設置する4コーナーモデルにより、それぞれが自由にサービスプロバイダーを選ぶことも可能になります。
ただし、アクセスポイントを提供できるPeppolのサービスプロバイダーとなるには、デジタル庁による認証(国内企業向け)or了承(国外で認証済みの企業向け)が必要であり、日本における認定Peppolサービスプロバイダーはウイングアーク1st株式会社など33社(2023年7月14日時点)となっています。
2024.01.21 公開
欧州はアメリカのメガプラットフォーマーに対抗し国際競争力強化のために、『データ・コネクタを介したデータ共有方式』を提唱しました。
ここでデータスペース(Data Space)とは、国境を越えた様々な関係者が、データを安心して使えるように同じルールで管理されたデータ共有基盤です。そしてデータの民主化(Data Democratization)とは、組織が持つデータを、組織の関係者全体で共有するというコンセプトになります。データコネクタは、組織や企業がデータスペースにアクセスするための仕組みのことです。
2024.01.24 公開
IOWN 構想は、「Innovative Optical and Wireless Network(革新的な光学的・無線ネットワーク)」の頭文字で構成された次世代ネットワーク技術の構想です。その基盤となっているのが、これまで電子が担ってきた信号処理の領域に、データの伝送を行ってきた光を組み込むことで、超低遅延・低電力消費を実現する「光電融合技術」。
光ファイバーやその量産技術であるVAD法をはじめ、「光」技術の研究に長年携わってきたNTT。その一つの達成として2019年4月16日に発表された「世界最小の消費エネルギーで動作する光変調器」と「光トランジスタ」があり、その先のビジョンとして、同年5月に「IOWN構想」が発表されることとなりました。
そのロードマップでは、2024年に仕様確定、2030年には実用化が達成され、「電力効率100倍」「伝送容量125倍」「エンド・ツー・エンド遅延200分の1」などの目標が掲げられています。
2024.01.26 公開
Nortin AIは、メモ、ドキュメント作成、タスク管理、Wiki作成などのワークスペースが利用可能なアプリ『Notion』のAIアシスタント機能です。
2015年にCEO、Ivan Zhao氏が京都に逗留した際に得たインスピレーションが開発に生かされているという、日本とも関わりの深いこのサービス。日本語ベータ版が2021年10月、日本語正式版が2022年10月に公開され、日本でのユーザー数がさらに広がりつつあるなかで2023年2月に正式リリースされたのが「Notion AI」でした。
2024.01.22 公開
「ミッションは『GO WILD WEST!』です。ワイルドに、尖った会社にしたいと思います」。宮崎祐丞氏は、JR西日本がデータ分析企業の株式会社ギックスと共同で設立した新会社「TRAILBLAZER」について思いを語りました。
宮崎氏は現在、西日本旅客鉄道マーケティング本部 担当部長 兼 デジタルソリューション本部 データアナリティクス担当部長を務めるが、2023年10月2日に設立されたTRAILBLAZERの取締役も兼任します。「TRAILBLAZER」は英語で「先駆者」を意味しているが、「鉄道(RAIL)」という単語を含んでいるのも社名採用の理由の一つだそうです。
同社設立の目的は、JR西日本グループのデジタル変革を推進することにあります。ですが、JR西日本グループ向けの仕事が中心であれば、あえて新会社として切り出す必要はありません。ただ、「GO WILD WEST!」を掲げて大きな変革を実現するために、あえて社外に新しい機能を持った会社をつくったのです。宮崎氏は「大きな狙いは、『GO WILD WEST!』の実現に向けたデジタル戦略を支える人材の確保・育成です」と、その意図をより明確に説明します。
2024.01.23 公開
酒蔵の経営者は一族経営とか、その道にずっと身を置いていた人のイメージが強いのですが、加登さんはそのような関係とは無縁とお聞きしました。(松藤)
私の親は商売人でしたが日本酒とは無関係でした。お酒に興味を持ったのは大学2年生のときに留学したスイスで、多国籍な人たちと交わした「お酒自慢」がきっかけでした。みんなはワインやウイスキーといった自国のお酒を自慢していたのですが、私は日本酒についての知識が全くなく、なにも語れなかったのです。それが悔しくて帰国後に徹底的に日本酒のリサーチをはじめ、日本酒は世界でも非常に珍しく、高度な「並行複発酵」という手法を用いて造られることなどを知り、どんどんとその魅力にハマっていきました。(加登仙一社長)
2024.01.27 公開
日本の金融投資環境において、NISA(少額投資非課税制度)は注目の存在となっています。NISAはその名の通り、個人が少額から手軽に投資を行い、その収益を非課税で享受できる仕組みです。
2014年からスタートした制度で、NISA口座内で毎年一定金額の範囲内で購入した株式や投資信託などの金融商品から得られる利益が非課税になります。また、確定申告なども不要で、初心者でもチャレンジしやすくなっています。主な対象となる金融商品は、株式、投資信託、REITなど多岐にわたります。
さらに、2024年からは非課税保有期間の無期限化や年間投資枠が拡大し、さらに活用のメリットが大きくなります。
データのじかんの大川が「主筆の週報」として上司である野島編集長への週次レポートをメルマガで公開!
今回は「NISAってみんなはどのくらいやっている?口座数や平均投資額を調査!」という記事を紹介させて頂きました。
実は筆者は、約4年前から「つみたてNISA」を続けており、毎日1,619円を投資しています。この1,619円は、年間の上限額である40万円を日割りした額です。
積立日を「毎日」に設定しているのは、価格が変動する投資対象を一定期間ごとに一定金額ずつ購入する「ドルコスト平均法」という投資手法を採用しているためです。
つみたてNISAを始めた当初は、積立日を「毎月」にしていましたが、基準価格が高い日が約定日になることが多く感じられました。そのため、『高値掴みのリスクを抑える』ことがメリットの『ドルコスト平均法』に切り替えました。
投資で利益を大きくするためには、底値での購入が理想的ですが、それには相場動向をしっかりと見て、購入のタイミングを見極める必要があります。筆者の場合、投資に関しては素人なので、タイミングを見極めた投資はリスクが高いと感じ、「ドルコスト平均法」に切り替えることで「高値掴みのリスク」をかなり削減したと実感しています。
2024年1月1日を境に現行のNISAから新NISAへ切り替わった後も、リスクが少なく、ほぼ放置できる「ドルコスト平均法」が筆者に合っていることもあり、引き続き毎日1,619円投資しています。
実際の資産運用の成果は、2024年1月27日の時点で34.9%とまずまずです。しかし、記事中でも述べているように、投資にはリスクが伴いますので、これから始める方は「自己責任」であることを忘れずに注意してください。
それでは、次回も「データのじかんNews」をよろしくお願いいたします!
(畑中 一平)
データのじかんは、テクノロジーやデータで、ビジネスや社会を変え、文化をつくりあげようとする越境者のみなさまに寄り添うメディアです。
越境者の興味・関心を高める話題や越境者の思考を発信するレポート、あるいは越境者の負担を減らすアイデアや越境者の拠り所となる居場所などを具体的なコンテンツとして提供することで、データのじかんは現状の日本にあるさまざまなギャップを埋めていきたいと考えています。
(畑中 一平)
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