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「仮説思考」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?

コンサルティング領域でよく用いられる言葉で、元ボストンコンサルティング日本代表の内田和成氏により『仮説思考 BCG流 問題解決・解決の発想法』という本にまとめられたことで広まりました。

仮説思考は、コンサルのみならず幅広い職種・業界において役立つ武器です。

今や仕事の必須ツールともいえる仮説思考の使い方や「仮説力」の高め方をこの記事で押さえて起きましょう。

仮説思考はスピーディな問題解決を可能にする

仮説思考を一言でいうと“仮説を立てることでスピーディに課題に対処する思考法”です。

仮説思考と対極に位置するのが「情報収集→分析→抽象化→可能性の検討」というプロセスで最良のひとつを選ぶ「網羅思考」。完璧主義の方が多い日本人に好まれやすい思考法ですが、情報収集や分析、可能性の検討に時間がかかりすぎるという最大の欠点があります。たとえ最善の一手でも他者(社)に先んじられてしまっては意味がありません。また時間をかければ市場が変化し、回答の根拠としていた前提が崩れてしまう可能性が高まります。

そこでまず仮説(=仮の回答)を用意し、PDCAを繰り返して精度を高める仮説思考が有効だといえるのです。

また仮説思考は“スピードがある”だけでなく“答えのない問いにも有効”という点でも魅力的です。重要な問題の多くに100%の答えは存在しません。例えば「製品Aの売上をどうアップさせれば良いか?」という問いに明確な答えがあれば苦労はありませんよね?

結局、最終的に到達するのは最も確からしい“自分たちの結論”にすぎません。その場合、仮説を先に立ててから検証と修正を繰り返す方が質・スピーディさともに高まりやすいといえるのです。

仮説思考の基本5ステップ

仮説思考の具体的な手法に進みましょう。基本プロセスは以下の5ステップです。

  1. 検討材料を並べる
  2. 仮説を立てる
  3. 仮説を検討する
  4. 仮説を実行・検証する
  5. 仮説を修正する

仮に「製品Aの売上を30%アップさせるにはどうすれば良いか?」という問いがあるとします。

まずすべきなのは製品Aはどんな商品なのか、製品Aの月々の生産量はいかほどかなど、今ある検討材料を並べることです。ここで重要なのは追加で情報収集はしないこと。あくまで今ある情報を仮説の材料とし、自身の持つ知識と組み合わせて使います。

材料を並べられたらすぐに仮説を出します。「生産量が少ないので生産ラインの改善が必要なのではないか」「知名度が低いのでネット広告で新たな顧客を獲得する必要があるのではないか」……このように今ある判断材料から思いつく限りの仮説を出しましょう。

仮説を出しつくしたら、優先順位をつけます。ここで初めて情報収集を行うことになります。「製造ラインの改善が必要」という仮説なら競合製品の生産量や生産ラインの停止時間などのデータ・情報が有効な手がかりとなるでしょう。

仮説を出した時点で自分の中で因果関係の推測と何となくの優先順位が浮かんでいるはず。検討はその裏付けのために行います。仮説の前提に誤りがあれば、優先順位を入れ替えます。

仮説の優先順位がついたら実行と検証のフェーズに入ります。製造ラインの改善の場合、機械の調整やマニュアルの見直しなどが挙げられます。ちなみにこの場合、工場がデジタルツイン化されていれば、実行・検証のコストは大きく削減できます。実行した結果を測定し、仮説が正しいかを判定します。

最後は仮説の修正です。100%仮説通りうまくいく場合はまれです。想定していた結果になぜ結びつかなかったのか? 問いを繰り返して、より精緻な答えを導き出しましょう。「仮説検討~修正」のサイクルは何度も繰りかえし、新たな前提が出れば仮説を立て直すこともあります。

仮説力を高めるために実行すべき秘訣とは? >>

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