「デジタル銀行」という新しい銀行が、イギリスで急成長しています。
果たしてデジタル銀行とはどのような銀行なのか? そして、なぜイギリスで勃興しているのか? 今回は、このデジタル銀行に迫ってみたいと思います。
デジタル銀行とは、スマホアプリだけで営業する銀行のことです。
インターネットバンキングの普及によって銀行振り込みや住宅ローン借り入れ相談(もちろん正式な手続き時には来店する必要がある)がオンラインできるようになった今、わざわざ店頭に出向く必要が無くなっています。
イギリスではすでにデジタル銀行が若者を中心に利用されており、認知度も高くなっています。以下で、イギリスにおけるデジタル銀行の2つの事例を紹介していくことにしましょう。
為替手数料が無料で、為替も最良のレートで両替してくれるレボリュート(Revolut)は、イギリス発のフィンテック企業です。2015年の創立から3年でユニコーン企業の仲間入り。最近では利用者数が300万人を超えたといいます。米国やシンガポールなど欧州域外への進出準備中であり、日本でも2019年初めにサービスを始める予定です。
レボリュートを使えば、平日だとインターバンクレートに近い額で主要通貨に両替してくれたり、手数料を掛けずに外国に送金したりすることが可能(月5000ポンド(約72万円)まで)。また国内外のATMでは、月200ポンド(約2万9000円)まで無料で引き出せます。もちろん給与受け取りにも利用可能です。手数料の安さから、1日平均8000人ペースで利用者が増えているそう。
イギリスのデジタル銀行・モンゾ(Monzo)は9月、サービス利用者数が100万人を超えたことを明らかにしました。モンゾは2015年にデビットカード事業から出発し、17年に英金融監督当局から免許を得て銀行業務に本格参入。買い物履歴を自動で整理してくれる機能などが人気だそうで、週2万件のペースで口座が新規開設されています。
また、クラウドファンディングで100万ポンド(約1.4億円)をたった96秒で集めたり、事業をほぼ広告費ゼロで運営していたりするなど、新興企業ならではの戦略で事業を急成長させています。
モンゾはシンプルでユーザーに優しいUIと、明瞭なサービスが魅力。アプリ内でパスポートや免許証など身分証明の写真を添付し、個人情報を入力するだけで開設できます。万が一カードを紛失してしまった場合でも、アプリ内でカードを止める手続きをするだけで不正使用を防ぐことができるのです。
モンゾはスタートアップ企業であり、まだ利益を安定して生み出すステージではありません。しかしながら、投資家から注目されているユニコーン企業であることは間違いないと思われます。
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