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働き方改革の第一歩「デジタル化」で「余白」を作ろう~寺田倉庫が目指すペーパーレス化のその先

         

働く人の視点から、ライフスタイルや働き方を根本的に変革していこうという「働き方改革」。働く人一人ひとりのニーズにあった、納得のいく働き方を実現するために、企業はさまざまな取り組みを行っていることだろう。

どんな風に働き方を改革していけばいいのか。その疑問を解決するためのひとつの回答となるセミナー『働き方改革の登竜門 ”デジタル化のすゝめ”~プロフェッショナルに学ぶ「紙」からの脱却術~』が開催された。

 紙の書類を効率よくデジタル化することで、働く人と企業にどんなメリットが生まれるのか。2017年9月26日に文書管理サービスにおいて協業を発表した、寺田倉庫とウイングアーク1stが登壇。その模様をレポートする。

ペーパーレス化により物理的・精神的な「余白」が生まれる

まずは寺田倉庫のドキュメント・ソリューション・ストレージグループ 首都圏チーム 飯嶋高志氏が「働き方改革への第一歩 社内をペーパーレス体質にする方法とは?」というテーマで講演を行った。

寺田倉庫では、楽器や美術品、ワインといった「モノ」の保管を行うだけでなく、機密文書の保管・輸配送・電子化・タイムスタンプでのデータ保護・廃棄など、企業の情報資産管理に関するサービス(MEDIAサービス)も提供している。

同氏は書類のデータ化により、物理的にも精神的にも「余白」が生まれ、よりクリエイティブな時間を創出できるという。

本来、文書管理はメインの業務ではないとしても、実際には業務時間の大半を文書管理に費やしており、この時間を減らすことができれば、その分創造的な本来の業務に割り当てることができるし、生産性の向上が望めるはずだ。飯嶋氏は、これこそが働き方改革のヒントではないかと語る。

ペーパーレス化は業務効率向上以外にもメリットがある

文書管理が業務の非効率を生み出す例として、以下のようなことが挙げられる。

・文書を効率よく探し出せない
・探し出してもすぐに取り出せない
・他の人のノウハウを利活用できない
・管理する手間やコストが発生
・情報の正確さがわからない
・書類保管のためのスペースが必要

これらの問題を一気に改善できるのが、紙の書類のデジタル化なのだ。

ペーパーレス化の効果は業務の効率化だけではない。たとえば、オフィス内に大量の紙書類を保管している企業であれば、それらを外部保管や廃棄することで、キャビネットの数が減り、職場にスペースを作り出せる。そこをオープン会議室やコミュニケーションスペースへとすることで、社員同士のコミュニケーションが進み、単なる保管庫が新しいアイデアを創出する場所へと生まれかわる。

また、紙の少ない「きれいなオフィス」「働きやすいオフィス」は従業員満足度の向上や、採用活動にも有利に働く可能性があるという。

このように、保管コストの削減や検索性の向上といった一般的に言われるメリットに加えて、さまざまな波及メリットが存在するため、書類のデジタル化は働き方改革の鍵といえる。

ペーパーレス化が働き方改革への第一歩

寺田倉庫では、ただ単純に書類をデジタル化するだけではなく、不要な書類の判断や処分、必要な書類の倉庫保管、大量の書類のスキャンを一気通貫で行えるため、それぞれ専門の業者に委託するよりも低コスト・短期間で社内のペーパーレス化を達成できる。

ただし、社内の書類を全部デジタル化する必要はないという。ナレムコの法則によると、文書の90%は半年で閲覧されることはなくなり、1年後には99%が閲覧されないという。そのため、寺田倉庫では過去1年分の書類のスキャンを提案。その後、週に1回定期的に新しい書類をデジタル化していくことで、常に最新の書類をデジタルデータとして利活用できるようにすることを勧めているということだ。

また、全社的に一気にペーパーレス化をする必要はなく、企業の状態に合わせて小規模から行っていく方法を勧めることも。文書管理課がある企業ならば、まずはその部署からデジタル化を行い、そのノウハウを吸収して、他部署に展開していくという方法や、大量の紙の書類で困っている部署や業務上緊急性の高い部署から行っていく。

小規模でデジタル化の成功事例を作り、それから全社展開を行っていくと比較的スムーズに成功できるそうだ。

紙の書類をなくすことで、文書管理に費やす時間を大幅に削減できるだけでなく、オフィス環境が改善され、社員のモチベーションアップにもつながる。結果的に、物理的にも精神的にも「余白」が生まれ、よりよい働き方ができるようになる。

ペーパーレス化は、働き方改革への第一歩であり、最短距離なのかもしれない。飯嶋氏の講演を聴いて、そのように感じた。

紙運用のコストは意外と高い

セミナー後半は、ウイングアーク1st テクニカルセールス部 小池尚樹氏が登壇。デジタル化した文書の活用システム「SPA」などの開発・販売を行っている同社から見た、働き方改革において、ペーパーレス化はどこに必要なのかをテーマに講演。

「紙運用の本当の話」では、紙保管のコストは社員一人あたりキャビネット3台分のスペースが必要。これを賃料として計算すると一人あたり年間66,000円となる。また、情報を探すコストは社員一人あたり年間240,000円かかるという報告もあるという。

また、ニュースなどでたびたび目にする情報漏洩問題にも言及。日本ネットワークセキュリティ協会の調査によると、情報漏洩の経路としては紙媒体が67.7%と圧倒的に多く、1件あたりの平均賠償額は3億3700万円に及ぶという。
ということは、紙の書類をデジタル化することで、情報漏洩リスクはかなり軽減されるということが言える。

ペーパーレス化はビジネスのあらゆるシーンで行える

「ペーパーレスはどこに必要?」では、具体的に企業活動においてどこをペーパーレス化すればいいのかという話に。ビジネスのプロセスには必ず情報のやりとりが発生。これまでは帳票が利用されてきたが、これをデジタル化することが可能だ。

また、配送センターと納品先のように、自社と他社との情報のやりとりにおいても、発生した帳票を保管するという作業が発生。この保管業務を簡便にするためにもペーパーレス化は役立つ。つまり、ペーパーレス化はビジネスシーンの至るところで行えるということなのだ。

10月2日には、寺田倉庫との協業による機能連携開始を発表。寺田倉庫のデジタル化のプロセスにおいて、ウイングアーク1stの製品「SPA」を活用することで、より効率的にデジタル化した書類の検索性や機密性の向上が図られ、情報資産管理分野の業務効率化が、働き方改革をさらに推進していくだろう。

紙の書類から必要な情報を探し出すことは、ビジネスに不可欠。だが、それはビジネスの本道ではない。いかに効率よく情報を検索・閲覧できるか。それこそが働き方改革につながるはずだ。

(データのじかん編集部)

 
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