Share!

組織変革の結果と、サービス業の未来を変える「JINYA EXPO」


こうした施策の結果利益率は大幅に向上し、陣屋の取り組みは「日本を代表するサービスのしくみ」として評価され、2018年第2回日本サービス大賞「総務大臣賞」を受賞。

そして「外販してシステムを進化させたい」と「陣屋コネクト」の同業他社への配布を開始しました。宮崎氏は「多くの宿泊施設の問題は、ITだけでは解決できない。単独の努力だけでは解決できない問題が山積み」と語り、旅館施設の枠を超えて「助け合い」を行う仕組みが求められていると強調。互いに労働力を行き来させることで個々のスキルアップになり、ノウハウを共有できると主張します。

そこで「陣屋コネクト」ユーザー同士が緩やかに連携し、独立資本の小規模旅館でも大手チェーン施設に負けないシステムを作る「JINYA EXPO」の構想を紹介。食材や人材を共有し、互いに交換・連携・助け合いができる仕組みをIT化し、全国展開していきたいと語ります。

また、陣屋は株式会社ティラドとの合弁会社「ディラドコネクト」設立。「製造業とサービス業とITを連結させるとどうなるのか? 製造業においては、10年先の技術は枯渇していると言われています。製造業トップのテクノロジーを、サービス業など他業種にも提供することで新たな技術が生まれるかもしれない」と、熱意と期待を込めて社会に貢献するシステム開発への姿勢を見せました。

そして「旅館をあこがれの職業にすることで社会に貢献したい、そうでなければ業界の未来はない」と重ねて語る宮崎氏は、最後に「ITの導入に上手くいく企業の特徴」を以下のようにまとめました。

・経営者自ら率先してシステムを活用する
・ソリューションを活用する(導入して安心しない、活用する工夫をする)
・全員にライセンスを与えてスタッフ全員の知恵を引きだし、共有する(フラット化の重要性)

まとめ

二社の事例から、迅速かつリアルタイムな情報共有システムの構築はもはや前提条件であり、そうして手元にあるデータをいかに活用するかが重要であることが伺えます。そして、データを活用して情報がフラット化した企業では、全員が共通の価値観を持つことができ組織の統制が図れます。

しかしその段階へ進むためには、ただシステムを導入するのではなく「いかに社員にシステムを活用してもらうか」という組織や事業の特性に応じた工夫が重要であり、それぞれの企業からはその工夫を垣間見ることができました。

(TEXT:伊藤七ゑ PHOTO:Inoue Syuhei)


この記事を読んだあなたにオススメの記事


ビジネスを成功に導くマーケティングが機能する組織とは?〜Future of Work Japan〜

9月7日(金)に開催された、株式会社刀代表取締役CEOの森岡毅氏の講演「ビジネスを成功に導くマーケティングが機能する組織とは」をレポートします。 森岡氏は、わずか数年で経営危機にあったUSJを再建し、その使命完了後、マーケティング精鋭集団「株式会社刀」を設立、マーケティングによる日本の活性化に邁進しています。続きを読む


データドリブン・マーケティング 〜データ活用と環境構築メソッド

ウイングアーク1st 久我温紀さん、VAIO日高康成さん、FORCAS 酒居潤平さんなど組織的なマーケティング・セールス活動を展開する企業のマーケターが、自社でのデータ環境構築とデータ活用の実践事例を紹介した「【B2B向け】データドリブン・マーケティング」をレポート。続きを読む


良品計画はどのように“勝つ構造”を手に入れたのか?松井忠三氏が明かす“100%実行力”の作り方

良品計画の元会長松井氏は、「実行以上に大切なものはない」と「戦略よりも実行力で一流を目指す」ことが大切だと明言する。赤字状態だった組織を改革し、復活を実現した無印良品において、“100%実行力”がどのように生み出されたかを語った。続きを読む

 

1 2 3

この記事を読んだあなたにおすすめのタグ

この記事を読んだあなたにおすすめのタグ

「データ活用」ランキング

人気のカテゴリ